下宿の前で
下宿の前で 風に祈る
蝶にも、スズメにも頼む
どうぞ、この子をお願いします と
下宿の前で 風に祈る
息子の大学入学当時、下宿の前で、
こんな詩を読んだ。
もう、7,8年前のことになる。
そのめったに帰ってこない息子が、
今度のシルバーウィークに帰るという。
舞い上がった私は、家の大掃除から始まって、
ちょうど、お彼岸だし、一緒にお墓参りでも、
と、早々と墓掃除、
シーツやら、枕まで、新調し、いそいそと
電話をしてみると、
「やっぱり、電車混むし、お正月にするわ。」
だって。
2歳年下の弟も、仕事を2日も休んで、
待っていたのにね。
むかし、息子に会いたくて大学まで会いに行った友達が、
それでも会えなくて、
当時流行っていた「冬のソナタ」よりも切ない
と、嘆いていたけれど、
息子を思う母の気持ちは
本当にせつない。
でも、息子が元気で笑ってくれてさえいたら良い。
と思う母心。
せつないけれど、
ほんと、幸せ。