平気で盗む人々
地元の大学のキャンパスでのこと。自動販売機で缶コーヒーを買うのに、小銭がなかったので千円札を入れた。商品のボタンを押すと同時くらいに携帯電話の着信があったので、一瞬、缶コーヒーとおつりをそのままにして電話に出た。
その間、10秒くらい、電話を切って、缶コーヒーとおつりを取り出そうとすると、880円あるはずのおつりが一銭もなかった。
何と素早い。目ざとい学生が持って行ったようだ。
これは、明らかに泥棒ではないか。電話しているおばちゃんのおつりだってことくらいわかるはずである。
最近は、大学のキャンパスでも油断大敵だな、とそれからは机の上にパソコンを置いたまま、トイレに行くのもはばかられた。
大学生でもか。と思ったのには理由がある。
同じころ、中学校の音楽室から、買ったばかりのDVDプレーヤーが盗まれたからである。
最新式のノートパソコンくらいのサイズのプレーヤーだったから、ちょうど中学生のカバンにでも入ったのだろう。誰が盗んだのか、未だにわからない。
教室から金品が盗まれたり、職員室の机の封筒に入れてあった2万円がなくなっていたりしたことがあったけれど、DVDまで盗む生徒がいるのかと、本当にその時はがっくりした。
フランスのルーブル美術館では、1フロアに6,7人はスリがいますよ、ということだった。彼らにとって、泥棒は一つの職業だそうである。
悲しいけれど、人をみたら泥棒と思え、というのも一理あるのかもしれない。
そして明らかに、その素養は子供のころからある。
残念だけれど、これも一つの事実である。