想い鳥日記(omoidori`s diary)

日々のつれづれを心のままに、想い人に捧ぐ

二種類のタイプ

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 30年以上、中学校の教師をやっていて、いろんな教師を見て来た。

彼らを大きく分けると二種類のタイプがあったと思う。

例えば、生徒指導という主に生徒の問題行動を扱う担当になった場合、ある教師は

こう言った。

「家に帰ると、すぐに酒を飲むんよ。電話がかかってきても出かけんですむように。」

なるほど、生徒指導は生徒が何か問題行動を起こした場合、何時なんどきでも駆けつけなければならない。そして、大抵問題行動は勤務時間外に起こる。けれども言うまでもなく、教師は飲酒運転が厳禁なので、飲酒をしている人に、すぐ出て来てとは頼めまい。

おまけに、この教師は市内をかなり離れた隣の田舎町に住んでいた。きっと、彼はどんな急な電話があっても、

「わし、もう一杯やってもたんよ。出かけられへんから、明日にしてくれ。」

という一言で、何度も激務を逃れたのだろう。

 もう一方のタイプは、彼とは真逆である。

生徒指導になった。いつ何時、生徒が問題行動を起こして出動しなければいけないともかぎらない。いつでも車を運転できるように、家に帰っても一滴の飲酒も謹んでいる、といったタイプである。言うまでもなく後者のような生徒指導の先生がいる学校は、同僚の教師も安心だし、生徒の問題行動の解決も早い。

けれども結局、無理をして身体を壊して、病気になってしまったりする。

 一方、仕事をしなくてよいように、すぐに酒を飲む方は、常に容量よく立ち回り、まだその上、部活の費用なども大いに利用して、自分自身が大いに潤う教師生活を満喫する。そして案外、この大ぼら吹きの口のうまい教師が、保護者に人気があったりする。

この二種類の人間のタイプ、教師の世界だけじゃなく、色んな場面でも見かけませんか。