宝石の力
素晴らしく美しい92歳の女性に会った。
老女のイメージを払拭する美しさである。
不思議に思って、しげしげと観察させていただくと、
お洒落とゴージャスさが半端じゃない。
髪も白髪というよりは、金髪に近い栗色で、肌の色も艶やかにメークをきちんとしている。
着ているドレスも華やかなデザインで、シルクかジョーゼットか、風になびくシルエットが美しい。
そして何よりも、身に着けている宝石の見事なこと、臙脂色のドレスに合わせて付けているアメジストは、指輪もイヤリングもネックレスもお揃いで、
その粒の大きいこと、デザインの素晴らしいこと。
これが宝石の力なのね。と思わず納得してしまった。
外国映画で、こんな老婦人をよく見かけるけれど、日本では珍しいのではないか。
もちろん、パーティーなどではない、ごく普通の会食会である。
そのドレスや宝石が肉体の衰えをカバーして余りある。
その場にいたどの女性よりも輝いている。
今まで、宝石に余り興味がなかったけれど、これは買っておかないと、と改めて思った。
できるだけ、ゴージャスで派手な大粒のものを。
それと同時に、痛感した。
年を取ったら、お金持ちでいなければ美しくなれない。と
富貴が漂ってこそ、老女は美しい。
物欲は幾つになっても、大切なのだ。
まだまだお金儲けに、邁進しよう。